卓球女子で東京五輪の代表に決まっている伊藤美誠(19)=スターツ=が7日、インターネットを通じて合同取材に応じ、1年後に延期された五輪に前向きな気持ちを示した。20歳で迎える五輪で念願の金メダルを手にするため、世界ランキング2位となった伊藤は同1位の陳夢(26)=中国=の打倒にも意欲を燃やした。
ポジティブ思考で知られる伊藤は五輪延期決定後、初めて報道陣の取材に応じ、1年延期という非常事態にも前向きな姿勢をみせた。
「1年後に優勝できるチャンスを、もっともっと増やしたいというのが一番プラスにとらえられているところかな」
19歳9カ月で迎えるはずだった東京五輪には、20歳9カ月で臨むことになった。「(本来なら)おめでとうの乾杯ができないのが、来年であれば乾杯できるという、うれしさがあります」。未成年でアルコールの味はまだ知らない。ただ乾きモノのおつまみ類が大好物。以前から「私、きっとお酒が大好きだと思う。早く20歳になって飲んでみたい」などと話しており、金メダルの祝杯も大きなモチベーションだ。
五輪で優勝という目標は変わっていない。「いつ試合があっても大丈夫なように準備をしている」。その一方で、「来年夏に『もう1年延びる』といわれたら、今回みたいにプラスにはとらえづらい」と本音もこぼした。
「早く試合したい。今年中に試合をできる環境にしてもらいたいなと思っています」。平穏な日々が戻ることを祈った。
4月の世界ランキングで現行制度が始まった1991年以降、男女を通じて日本勢最高の2位に浮上した。だが、満足などしてはいない。
世界1位の陳夢には、まだ勝ったことがない。「まだ実力差がある。陳夢選手が上にいるのは、すごくやりがいがある」。国際大会は中断しているが、五輪本番までに陳夢との試合を重ねて差を埋めていく。(只木信昭)